その発生が近いといわれる南海トラフ、あるいは首都直下型地震。その時必要とされる最低限のきれいな飲み水の確保について考えてみた。
考え得る方法
①備蓄する
・ペットボトルによる備蓄
一番手軽で簡便な方法ではあるが、ある程度の長いタームでの必要量を確保するとなると置き場所に困る。
平時は購入により安価かつ大量に確保できるが、災害発生時には入手が極めて困難になる。
・ウォーターサーバー
定期的に配送されるため安心感があり、搬送の負担も少ない。ペットボトル同様長いタームの必要量を確保しようとすれば置き場所が必要になるが、そもそも定期的に配送されるために安心している向きも多い。
しかし、有事発生時には契約如何を問わず配送が不能になる可能性と、業者による原水調達が困難になるリスクを考慮すべき。
②井戸
・利用できるならばしたほうがいいが、生水であるため安全性の問題と、汲み上げにポンプを使用しているのであれば稼働させる電力が必要な場合もある。
震災時は停電している可能性が高く、そこも考慮して対策すべき。
③水を造る
今回この項目を特に重視したい。
既に上の2つは周知されており、敢えて述べるまでもないと思うが考え得るリスクを書いた。
今後起きるであろう大規模震災においては水不足の長期化が指摘されており、特に大規模な首都直下型地震においては発生から数日程度で日本中のペットボトル水が店頭、倉庫から消えると見込まれています(NHK、震災特番より)。
過去例からも被災していない地域でも買い占めや、不安から来る悪意のない買い占めが発生する可能性は高いと考えられます。
そこで、考えられる対策として風呂桶の水や雨水、河川、湖沼の水の利用などの使える水の飲料水化を考えることにする。
特に風呂の貯め水や雨水は比較的浄化しやすいため有用であると考え、取りうる手段としてめぼしいところを以下に示す。
①煮沸
濾過した上で煮沸するのは一番取りやすく安全性の高い手段と言えるが、災害時には沸騰させるだけのエネルギー確保が課題となる。
燃料、ガスなどは欠乏していると考えられるため、瓦礫等が使えるならば取りうる方法である。
②蒸留
①に加え、さらに不純物や場合によっては臭みがある水でもほぼ完全に除去できる。
しかし、消費エネルギーはさらに多く、特に冬場の乾燥時は水蒸気を復水させる際に空気中に拡散するロスも大きくなる。また、量が必要な場合は向かない。
③浄水器の活用
既存の家庭用浄水器を活用し、水を造る。
濾過能力にもよるがある程度のきれいな水を作ることが出来る。
但し殺菌まで出来るものが少なく、あくまで不純物の濾過に留まる。殺菌には塩素を投入するのも手だが入手できるかは微妙。
殺菌できる浄水器があるならば、不純物を沈殿させた上で浄水器を通せば飲用に耐えうる水が出来るのではないか、と考える。
また、ものによっては加圧、圧送装置が必要になる。
※但し、メーカーはその様な使い方は推奨しておらず、あくまで緊急避難的な利用に限定して考えるべきである。
④逆浸透膜
かなりレアな浄水法だが、モノがあれば強い。
但し膜を通すのに時間がかかる上、水を加圧して圧送するポンプが必要。また、逆浸透膜自体の単価は高い。
この中で現実的に取り得る方法として、③が最有力と考え、もう少しやり方を考え次回以降これをさらに検証してみる事にする。
今回はこれまで。お読みいただきありがとうございました。